右手に宝珠、左手の蓮華を持つお姿です。ご真言は、オンアロリキャソワカ。石像で全長およそ2.5メートル。六体の地蔵菩薩が周りに安置されています。建立は1994(平成6)年。現在の平和観音像をお迎えする前、原爆の犠牲となった方々の慰霊のため、大願寺境内に陶製の観音菩薩が祀れていました。しかし経年による損傷甚だしく、石像にてそのお姿を新たにされました。原爆が投下された当時の宮島には多く被災された方々が運び込まれ、大願寺にも境内一面に茣蓙がひかれ、その様子は惨憺たる光景でした。そうした当時を知る有志の方が立ち上がり、原爆被災者慰霊のため、戦争の惨禍を二度と起こさないように観音像を再び新たに大願寺の境内にと宮島町内に寄付のお願いをよびかけました。今鎮座する平和観音像はそうした慰霊と平和への願いそのものなのです。